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旅日記
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ルーブルにあるルーベンスの小さな風景画。たしか、ロンドンのナショナル・ギャラリーにも風景画があった。羊飼いが小さな川の橋を渡っているような光景だったと記憶する。
・・・・・・・・・・。 場所はかわって、ブリュッセルにあるルーベンスの工房。その工房がある屋敷は大きすぎず、かといってこじんまりとはしていない。そして、そこには美しい中庭があり、塀の前には石彫が並び、まわりにはいろいろな花や植物が植えられていたように思う。 2階ぐらいまで吹き抜けたような高さのあるスタジオはひょろ長い長方形をしている。その短辺の片方の壁に絵を掛け、もう片方の壁側からルーベンスは製作中の作品を眺めたのだそうな。眺める壁側にはちょうど中2階ぐらいの高さのバルコニーみたいなところがあって、そこからあれこれ工房の弟子たちに指示を出していたらしい。 ルーベンスといえば後期ルネッサンスの巨匠。パリのルーブル、ニューヨークのメトロポリタン、ワシントンのナショナル・ギャラリー、ボストン、ロンドン、オランダ、スペインマドリードのプラド、そして、ルーベンスの地元ブリュッセルにある王立美術館、これらには少なくとも10数点のルーベンスがあったと思う。 どこに行ってもルーベンスの偉大さに圧倒させられる。なかでも、王立美術館のルーベンスは圧巻だ。パリや、オランダ、ニューヨークで見たルーベンスは何だったんだと思うぐらい、これらのルーベンスを見ないとルーベンスを見たとはいえないような、大きな衝撃を受けた。 その大きさ、力強さ、構築力、深さなどなど、言葉では表せない絵の印象、そして、そこから湧き上がる感情を素直に認めるしかない。ルーベンスの印象がさらに大きく位置づけられるときだった。巨匠とはこのことかと。 ところで、ロンドンの風景画はこれらの作品群を見る前だったが、その後訪れたルーブルで1枚のルーベンスの小さな風景画が目にとまった。このときからこれらルーベンスの風景画がやたらと気になりだした。たぶん、それまでにもルーベンスの風景画はいくつか見ていたのだろうが、とりわけ気になるということはなかった。 偉大なルーベンスもこうやって風景画を描いてみたくなるんだ。などと勝手に想像しながら、しかし、よくよくこれらの絵を見るとこの風景はおそらく現実のものではない。風景の中に人物やら動物やらがいてなにか本の挿絵のような何かの話の一コマと思えるような絵だ。後から読んだ解説本には、聖書に出てくる話の一コマなどを描いた、なんてあったように思う。 絵の中の説教の内容はわからないが、これらの話が「風景画という主題」の中で展開されているわけだ。ふつう挿話や寓話ならこれらの絵はもっとその話が主題となるように描いても良さそうなものだ。 この時代にしては小さな絵、そして風景画、その中にほんとに小さな人物と動物が描かれている。よくよく見ないとその描かれている「話の主題」を見逃してしまうかもしれない。 なぜ、風景を描くのか?それは自分のために描いたものだから?依頼されて描くものではなく、この絵自体が全く自分のためのものだから、小さな画面で楽しみながら描いたのか。気ままに描いてそこに自分の感情的なイマジネーションを入れることができると感じていたのか。それとも、そんな難しいことは考えずにただ描いてみたかったのか。 風景画には不思議な力を感じる。風景画は決して現実の景色を表してはいない。というより、そんな風景画はおもしろくない。たとえ、現実の空間を描いてもそれが結果として残る作品の中には、景観としての正確さは必要ない。風景画は、現実にある景色の中で描写しそこにあるものを描いたはずだが、画家はその景色をあらためて作り直す。 いったい何が描かれているのか、それは何度も見るしかないのだろうが、ちょうどこのルーベンスの風景画を見たときに、ニューヨークのメトロポリタンにあるRyderのMoonlight Marineを思い出した。ライダーの絵はひっそりとある部屋の階段の途中の壁に掛かっていた。これもはじめはよく見逃していた絵だったが、あるとき突然ものすごく気になる絵になった。それ以来ライダーは自分の中ではルーベンスと同じくらい巨匠だ。 PR コメントを投稿する
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